イカ焼きのご縁

 さてさて、東京は大田区の釜めし屋さん「にれの木」さんは・・・未だ休業中。ですので、そちらで行っていた落語会「らくごのかまめし」も再開が、ままならないのでした。「他で落語ができるお店はないか知らん」と探してみるのですが、これが案外、ないのですよね。希望は座敷があるお店が良いのでした。そして、できることならば座敷は2階がよろしい。というのも落語というものは雑音に弱い芸なのですよね。料理人さんが調理している音とかが聞こえない方が良い。なので「2階が座敷」が良いのですが、探してみると、今、2階が座敷のお店って少ないのですよね。だいたい住居になってしまっているようで・・・。

 

 が、2階が座敷の魚料理の店を見つけました。行ってみますと、ちょっと狭いんですが、落語会はできそうな雰囲気。お刺身もおいしい。「落語はちょっと興味がないんで」とかって断られちゃうかなぁと思いつつ、お店の方に「この2階の座敷で落語会をやらせていただけませんか?」と聞いてみました。そうしましたら、お答えが「お客さんがいっぱい来て、2階の床が抜けるのと怖いのでお断りします」とのこと・・・そのお答えは想像できませんでした。お店の営業を続けて大丈夫なのかなあ・・・。

 

 で、それでも懲りずに探してみると、ネットで2階が座敷のおそば屋さんを見つけました。「おそば屋さんで落語ってのもいいなぁ」と思い、勇んでお店に行ってみたのですが、コロナの影響なのか、どうなのか、休業中。とほほ・・・。

 

 ・・・あのー、けれど、コロナの恩恵と言ったらアレですが、少ないですけれどコロナ禍の中で「これは、ちょっといいことなのかな」と思ったのが、入ったことのないお店がお惣菜を売り出したことですね。高級そうで敷居が高かったお店の味が味わえました。ちゃんこ鍋屋さんで売っていた焼き鳥がおいしかったり、お寿司屋さんの前でイカ焼きを売っていたり。「へー、ここ、お寿司だけじゃないんだー」と、思わずそのイカを買っちゃったりして・・・。

 

 で、その後、僕はそのお寿司屋さんの前を通るたびに「今日は何を売ってるのかなぁー」と見るようになって。そんな、僕の目に、やっと入ってくる看板の文字。何回もそのお店の前を通っているのに、目に入らなかった看板の文字。そこには「お座敷ご予約承ります。2~80名様」の文字。「えー! このお店、80名も入れる座敷があんの? あ、何、もしかして2階、全部、座敷?」。・・・ということでございまして、落語会はそのお寿司屋さんで、イカ焼きのご縁で、できるのか、できなイカイカがなものか、丁度時間となりました。イカ次回!